よくあるご質問について

訪問診療と往診の違いは?
「訪問診療」は定期的に医師が患者様のご自宅や施設に伺い診療を行うことです。例えば、毎月第1週と第3週の月曜日午後に自宅へ伺いますと計画を立て、その計画に基づいて医師が定期的に訪問し、診察・検査・お薬の処方等を行います。
「往診」とは、このような「計画された訪問診療」ではなく、急に病状が悪くなった時などに患者様やご家族らの求めに応じて、臨時で医師が訪問することをいいます。
また、「訪問診療」と「往診」では負担費用も異なります。「往診」に回数の制限はありませんが、「訪問診療」は原則週3回までと回数の制限があります。
医師による「在宅医療」は、「訪問診療」と「往診」の両方を組み合わせたものです。定期的な訪問を通して患者様の普段の体調や薬の効き具合、療養への思い、人生観・死生観などを知るよう努めます。これらを把握しているからこそ急な「往診」の際に、患者様の病状や思いに沿った対応が可能になります。
在宅医療って訪問診療と往診だけですか?
在宅医療とは、通院困難な方が自宅や施設など療養先で受ける医療のことを言います。医師による訪問診療・往診の他、歯科医師(訪問歯科)、訪問看護師、薬剤師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(訪問リハビリ)、管理栄養士など様々な職種の訪問が医療保険や介護保険によって可能になっております。
当院では、訪問診療・往診以外のサービスは行っていませんが、連携している訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所などをご紹介することができます。日々、患者様の情報を共有しながら、連携をとっていきますのでご安心ください。
在宅医療は誰でも受けられるの?
病気や障害などで、定期的な通院が困難な方が対象です(少なくとも自力で歩き家族・介助者等の助けを借りずに通院できる方は対象外です)。また、癌などの末期で余命僅かだとしても、住み慣れたお家に帰り在宅医療を受けることができます。医療機器の発達などで、下記のように現在では多くの処置が在宅で行えるようになっています。
  • 在宅悪性腫瘍疼痛管理法
  • 在宅経管栄養法
  • 在宅中心静脈栄養法(IVH)
  • 在宅自己注射
  • 在宅酸素療法(HOT)、在宅人工呼吸療法
  • 在宅自己導尿
  • 在宅ターミナル、在宅ホスピス
一人暮らしでも可能ですか?
はい、大丈夫です。訪問看護師やヘルパーなどが順番に回っていくようなケアプランをケアマネージャーが作成し、介護保険をはじめ医療・介護・福祉の制度をフルに使えば、一人暮らしでも在宅で療養できる環境を整えられますので、身寄りのない方でも自宅で最期まで生活できますし、自宅での看取りも可能です。
家族として在宅医療のサポートが難しい状況なのですが、どうすればいいでしょうか?
診察や検査の結果をお伝えしたり、治療・介護についての相談、さまざまな情報交換などがよりスムーズできたりするので、診察の時「できる限りご家族に同席していただきたい」というのが多くの医師や看護師の意見ですが、毎回絶対に必要ではありません。
他の職種の方が出入りした時の情報はカルテやノートにまとめられていますので、その情報からでも多くのことはわかります。訪問日時に関しては相談して決まりますが、基本的には同じ曜日、同じ時間になることが多いです。 また、ご家族がサポートできる状態であっても、用事ができた時や病気になった時、「ショートステイ」といった短期入所施設が使えます。うまく利用しながらご家族や介護者が疲れをためこまないことも安定した在宅療養を続けるには大切と考えております。
別の病院にも通院しながら訪問診療を利用できますか?
付き添い等の補助を受けて外来通院されている方は、 今までみてもらっていた病院の先生に継続的にみてもらいながら、ご自宅での健康管理を当院が分担することが可能な場合が多いですのでご相談ください。この方法だと専門性の高い病気の場合に、通院先の専門医の評価が受けられます。尚、ご自身で通院できる方は訪問診療の対象外です。
入院治療から在宅医療に変更できますか?
患者様やご家族の希望があれば、お気軽に当院へご相談ください。病院では「こんな状態で家で過ごすのは無理」と言われるかもしれませんが、「家に帰りたい」、「家ですごしたい」という希望をはっきり伝えることで在宅療養への道が拓けます。 病院の主治医や看護師、地域連携室、ケアマネージャー、訪問看護ステーションなどに相談するのもよいでしょう。
また、在宅で過ごすには介護ベッドや車いす、手すり、ポータブルトイレなど福祉用具の手配に加え、訪問診療や訪問看護、訪問リハビリ、ヘルパーの手配など、在宅療養に向けて環境を整える必要があります。もし在宅療養の希望があれば、早めに相談を始めましょう。
診療の頻度は?
通常は月2回です。ただし、重症の方やターミナルケアが必要とされる場合など、病状に応じて訪問頻度の調整をご相談させていただきます。
費用はいくらぐらいかかりますか?
訪問診療の費用の目安をご覧ください。
在宅医療を受けると、お薬はどこでもらえるの?
当院では、お薬はすべて院外処方となっていますので、お近くの薬局に処方箋をお渡しください。お薬の配達(訪問薬剤)をご希望の方には、配達対応が可能な薬局を当院またはケアマネージャーより紹介しますのでご相談ください。訪問薬剤ではお薬の保管や服用がきちんとできているか確認したり、お薬を飲みやすくする工夫なども行ってくれます。
病状が急に悪くなった場合は?
当院は夜間・休日を含め、24時間・365日連絡を受け付ける体制(訪問診療を受けている方)を整えています。 まずはご家族や訪問看護から当院へご連絡いただき、病状に応じて電話口での助言・指示、往診対応、救急要請の指示を行います。 
在宅医療で対応できない時はどうするの?
命を救うことを最優先とした集中治療が必要な時や、在宅ではできない検査が必要な時などは、普段から連携している病院へご紹介いたします。その際にも、病院で適切な受診ができるように手配し、入院中の療養でお困りのことがないように、ご紹介後であっても責任を持ってお手伝いをしています。
終末期の対応や緩和治療、看取りは可能ですか?
はい、可能です。私たちはこれまで多くの患者様の終末期・緩和ケア期のお手伝いをして参りました。患者様・ご家族らができる限り穏やかに安心して最期の時間を過ごせるよう全力でサポートさせていただきます。ただし、施設の中には看取りができない施設もございますので、その際は入院の手配をさせていただきます。